【夏休みエフばなし】「源五郎沼の河童」(船橋の民話より)

やあ。船橋市民のメイツたち。
今日も平和な日々を過ごしているかい?

最近カッパからの襲撃も減ったので
枕を高くして眠れる町の情報屋F(エフ)だ。

というわけで、折しも夏休み。
なんだか世間では妖怪が流行っているようだね。
もちろん私は本家でプレイ中さ。ノガッパかわいいよノガッパ。
せっかくだからふなっこメイツたちには
船橋の古典妖怪「河童」の話でも読み聞かせてみようかな。
え?声が聞こえないって?
耳を澄ませば聞こえるはずさ。
「海老川のはちみつボーイ」と呼ばれたこの私の甘い声がね。ふふふ。

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河童の話は以前のジモバナでもお伝えしたが、
実はもう一つあってね。今回はそちらを紹介しよう。

 

今回も原文ママではなく「エフ語訳」でお伝えするので
おヒマなメイツは付き合ってくれたまえ。

 

 

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『源五沼の河童』

むかし、藤原新田(現・藤原1~8丁目)の下郷に
「源五郎」というお百姓メイツが、近くの大野村(現・市川市大野町)の
親類に招かれ、遅くまで酒をたっぷりごちそうになっていたそうだ。

夜も更けたころ、源五郎は土産にキュウリをどっさりもらい、家に帰る事にした。

「おお、酔った酔った。ええ気分じゃのー」

と言いながら千鳥足で買える源五郎。
いつの時代も酔っ払いとは大差ないものだね。

やがて村の入口までやってきたころ、源五郎の喉はカラカラに渇き、
水を飲みたくなってしまった。

そこで、近くのがけ下にある「清水頭」という清水の湧く沼まで
足を延ばしたそうだ。

清水頭についた源五郎は、岸辺に腹ばいとなり、
口に水面をあててガブガブ水を飲んだ。

その時、この沼に棲む河童がぬーっと現れ
水かきのついた手で源五郎の手をぎゅっとつかみ、
水中へ引っ張りこもうとしたらしい。

源五郎は酔いがいっぺんに醒め、
大声で助けを呼んだが誰も通らない。

ところが河童は、

「源五郎、離してやるからお前の持ってるキュウリをくれろ」

と、どうしてもキュウリが欲しそうに言ったそうだ。

そこでほっとした源五郎は気を取り直し、

「これ、河童や。キュウリはやるよ。
こらからもわしが毎年作ってやるから、
人さまには絶対迷惑をかけないでくれ」

と言って約束をさせ、もらってきたキュウリを
そっくり河童にプレゼントしてしまったとの事だ。

河童はキュウリを両手で抱え、沼の底深く潜っていった。

その後、源五郎は約束通り毎年キュウリを作っては河童にプレゼントし、
河童も源五郎との約束を守り、ぷっつりと悪さをしなくなったそうだ。

それから村人たちは源五郎を称え、
この沼を源五郎沼と呼ぶようになったとの言い伝えだ。

 

 

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残念ながら今はその源五郎沼は存在しない。

当時の河童のいたずらと来たら、
村人の命をも脅かすものだったそうだから、
源五郎と河童の約束は、よほど村人を安心させたことだろう。
不思議な時計がなくても、妖怪と心を通わす事が可能なんだなと、
すっかりゲーム的な視点でこの話を読んでいる事に気づいてしまった。

この「船橋の民話」には
河童に限らず、船橋の色々な伝説が掲載されているので
リクエストがあればまたご紹介しよう。

それではメイツたち、
ノガッパを捕獲するのでこの辺で失礼するよ。

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