一風変わった展覧会が行われていると聞いて、とんでいっちゃいました。
船橋市飛ノ台史跡公園博物館にて、7月20日(日)から9月7日(日)まで第14回コンテンポラリー展inふなばし『縄文の手・現代の手』という展示が開催されています。
ひそかに船橋のアート界隈を盛り上げたいジモバナ郵便記者(※参照記事)ですが、美術館には馴染みがあるものの博物館や資料館にはあまり詳しくないのです。
そんな記者に今回の展示をオススメしてくださった方は、こう言いました。
「土器や土偶などといった縄文時代の資料が展示されている中に、現代アート作品の展示が紛れているという異色の空間が広がっているんだ!」
実際に会場に足を運ぶと、それはもう不思議で素敵な体験をすることができました。
記者が気になった作品を少しだけ紹介します。
アーティスティック・レヴュー
二人の文化財修復士の方による、いくつかの縄文土器を芸術作品として解説する、という試み。
通常の土器の説明に比べて、とっても味わい深いキャプションがついています。
たとえばこんな風に。
それぞれのパートを左から右へと見ていくと、水道の蛇口から雫がしたたるような形が変化していき、一周して見ると1つの流れとして見えます。
縄文の貝を運ぶ箱舟
ひと目で美しさに惹かれる作品です。
ここで使われている貝殻たちも、飛ノ台貝塚の出土品で、7000年前のものです。
通常は博物館の収蔵庫に大切に保管されているんですって。
そんな縄文時代の貝殻に、現代アート作品としてスポットライトがあたるなんて、ロマンチックだと思いませんか?
縄文の手・現代の手
この展覧会の意図を端的に表しているのが、この作品ではないかと感じました。
こちら、一見通常通りに土器が展示されているように見えますが……
なんと、ここに作品が隠れているんです。
実際にはこのような仕掛けが数カ所に施されています。
縄文土器を見ているはずなのに、気付けば現代アートの世界に惹きこまれている……。
わくわくしながら探し始めてしまうこと間違いなしです。
船橋の縄文メッセージ
縄文土器の文様は、当時の縄文人の感性が表れています。
飛ノ台史跡公園博物館が所蔵している資料の中から「船橋の縄文」を集めた作品です。
この模様にはどんな意味があるんだろう?
どんな思いでこの模様を描いたんだろう?
そんなことに思いを馳せると、縄文時代が少し身近に感じられる気がします。
もっともっと語りたい気持ちがありますが、とりあえずここまで。
これまで資料としてしか見ていなかった土器を、芸術作品として見つめるという新たな視点を得ることができました。
そうすると不思議なことに、縄文時代と現代がそれほど離れているように思えなくなってくるのです。
今も昔も変わらない――芸術は私たちにそのことを気付かせてくれるのではないかと感じました。
(おまけ)
個人的にツボだった作品です。
作品の名前は、『考古学はマロンだ!』
マロンとなった土偶ちゃんがなんともいえない愛らしさですよね。
飛ノ台史跡公園博物館
【開館時間】 午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)
【休館日】 毎週月曜、祝日の翌日、年末年始
【住所】 千葉県船橋市海神4-27-2
【電話番号】 047-495-1325
【入館料】
一般100円、小~高校生50円
市内在住小中学生無料
(団体20名以上:一般70円、小~高校生30円)
身体障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料